資格貧乏にならないために

資格貧乏にならないために

「資格を取ると貧乏になります」という本があります。仕事に役立つはずの資格でなぜ貧乏?!と思われるかもしれませんが、資格を取っても仕事に役立てられず、資格に費やした費用と労力は何だったんだ!っていうケースもよくあります。

「資格を取ると貧乏になります」の本には、税理士や会計士、社労士などの士業の資格を取っても役立てられなかった例などが載っています。
全部が全部、難関資格を取って役立てられず、貧乏になるとは限りませんが、こういう一面や可能性もあるという事だけは覚えておきたい。
また、無駄な労力・時間を費やさないためにも一度は読んでおきたい本でもあります。

つまるところ、自分の性格や適性を考えないで資格を取得すると無駄(とまでは行かなくても費用対効果がない)に終わる場合も少なくないのです。

よくありがちなのが、儲かるからとか、かっこいいからという漠然とした憧れ、尊敬されたいがために難関資格に手を出して挫折、もしくは取得できても仕事がなかったというケース。

当然ですが、資格を取るときは、自分の適性と資格の性質がマッチしていることが必要です。


弁護士や税理士を目指す場合の適性

悩む
適性を考えよう。

儲かりそうだから、食いっぱぐれがないからと、弁護士や税理士などの士業に手を出す方々がおられます。
また社労士や行政書士も今、流行っていますね。

しかしこれらの士業は人に会って話す仕事。
クライアントには必ず会ってしっかり話を聞き、要望に応えてあげなくてはなりません。
人を説得する力や営業力のある人には向いているでしょう。
もっと言えば、人と話すことが苦にならないことが最低条件です。

また、税理士事務所など事務所に勤める雇われ税理士などはまだいいのですが、自分で立ち上げる場合、当然最初はゼロ。並ならぬ根性と営業力がいります。

さらに事務所つとめの士業でも、どれだけ顧客を抱えているかがで収入が違ってきます。

コミュニケーション能力に長けている方なら向くと思いますが、内気で人と話すのが得意でないタイプ(つまり私みたいな者)は、こういうコンサルタント系の難関資格を取っても活かせない可能性が高いのです。

難関資格は就職の際に「向学心」「学習能力」「吸収力」「根性」などといった点で評価され、まったく無意味ではないのですが、下記にも述べている通り、費用対効果を考えるとちょっと考えものです。


教材費やスクール代がかさむ難関資格

資格貧乏

また、上記のような難関資格は大抵は範囲が広いので、教材費がかさみます。テキストや問題集だけでも結構な数。
それにもってきて、大抵は資格学校や通信講座、スクールなどを利用する場合が多く、そうなると結構な費用がかかります。10万、20万、30万・・・50万・・・。

費用対効果があればよいのですが、適性を考えずに挑戦した結果、挫折したり、また取得できても仕事があるとは限りません。

ん十万も払って資格を取っても仕事がなかったら、寂しいですね。



難関資格は勉強期間も長い

悩む

税理士や弁護士などの難関資格は勉強期間もかな~り長いです。集中してやっても最短で5年。10年以上勉強しているという人もかなりいるようです。
しかもまとまった時間が必要な場合もあります。

行政書士や社労士も最低でも1年はかかるでしょう。
働きながらだと尚更です。

1年ならまだしも、それ以上の長期間の勉強だったら、途中で挫折する可能性も高い。しかも取得できたとしても、仕事があるとは限らない。
私のような内気で人と話すのが苦手なタイプなら尚更仕事がないでしょう。
このようなタイプは上記の難関資格を目指すよりも技術系や経理系がオススメです。

適正を考えずに難関資格に挑む場合、かなりの時間をムダにしたとまではいいませんが、もったいない。 難関資格を勉強している間に他のこと、特に自分に適性のあることにチャレンジして、成功する可能性だってあるのですから。

また、勉強期間が長引けば長引くほど、費用も上がってしまいます。
教材は改訂されたり、資格スクールや通信講座なら長引く分費用が増えますね。
このような資格貧乏だけは避けたいものです。


資格はたくさんあるほどいいはNG!

やられた!

また、資格はたくさんあるほどいいと思い、できるだけ多く資格を取ろうとするのも考え物です。

資格は自分の仕事、もしくはやりたい仕事に関するものが3~5個あれば資格武装としては十分です。

それ以上取るよりも、面接の対策や準備、履歴書や職務経歴書の書き方に時間を割いた方が、より、自分の望む仕事に就きやすくなります。

資格だけではどうにもなりません。
数だけあっても、難関資格を取っていても、それを実務面で使いこなせられなければ、わあ~すご~いと尊敬されるだけで終わるのです。
意欲、自分の特長と経験、どのように貢献できるかを応募企業に伝える力(つまり面接力)もないと、どこも雇ってくれません。

しつこいようですが、資格は数や難易度、儲かるかどうかで選ぶのではなく、自分の性格や適性、得意なことで選んだ方が活かしやすいです。

また、この資格を使って何をしたいか、どんな自分になりたいかがハッキリしていると、その資格はきっと今後のあなたの力となってくれるでしょう。


苦手意識を克服するための資格勉強なら意義がある

やられた!

最も人気の高い資格のひとつがTOEIC
これは英語力を測定するための試験。
※詳しい説明はTOEICの体験ページをご覧下さい。

このTOEIC。英語力を試す資格なので、人と話すのが好きな人、自発的にコミュニケーションを取るタイプの人に向いています。ただ、その一方でTOEICは実務に即しておらず、英会話力に直結しないという専門家の意見も多い。

しかし内気で人と話すのが苦手な人には向いていないかというとそうでもないようです。

内気な性格を克服しよう、もっと人と話せるようになりたい、明るい性格になりたいなどという気持ちがあったら、英語を学んでみるのもよいかと思います。

英会話スクールに行けば、費用は高いですが、お友達もできますし、表情豊かな外国人と話せば、明るい気持ちにもなれます。
このようなことから、人見知り克服など苦手意識の克服にはいいと思います。

ただ、「内気で人と話すのが苦手」を克服したいだけなら秘書検定準1級のほうが向いています。



行政書士講座などの悪徳業者にご注意!

たまに「行政書士は証明書を書くだけの仕事で、家で仕事ができる」とか甘い言葉で、通信講座を受けさせようという業者がいます。

しかし、行政書士は、書き物をするだけの仕事ではありません。
クライアントがいて、ちゃんと話し合って進めていく仕事です。
人と話さずに書き物だけ・・・なんて仕事聞いたことがありません。

くれぐれもこういう甘い言葉につられて、30万、50万とか多額の金額をつぎ込まないように。


資格マニアは資格貧乏?

これはあまりない例なのですが、手当たり次第に資格を取る資格マニアという人も存在します。これもあまりにのめり込みすぎると資格貧乏になる可能性もあるのですが、この人たちは趣味でやっていたり、単にコレクターだったりします。

ゴルフクラブにお金を費やす男性や、フィギュアに夢中になる人、コスメ好きな女性などに似ています。自ら楽しんでやっている部類に入り、資格貧乏とも言いがたいでしょう。

また、資格マニアたちは自分の小遣いの範囲内でやっている場合が多く、趣味・娯楽費に入るかも知れません。

ただ、資格マニアの方が気をつける点は就職・転職の際の資格のピックアップです。
何でもかんでも書いておけ!という方法はあまりお勧めできません。
資格のピックアップについては「履歴書に書くときは資格を厳選」に書いています。


資格貧乏 まとめ

・資格を取得しようと思ったら、自分の性格や適性を考えて挑戦しよう。

・資格を使って何がやりたいか、どんな自分になりたいかが大事です。

・儲かるからとか、かっこいいからといった漠然とした理由で挑戦すると、挫折する可能性が高く、取得できても仕事につながらないケースが多い。

・士業は、コミュニケーション能力、営業力が必要。

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