宅建試験に出る可能性がある引っかけ問題

宅建のひっかけ問題対策

今後も宅建試験に出る可能性があるひっかけ問題をまとめてみました。
ちなみに筆者は、勉強期間中に何度か引っかかっています。
引っかからなくなるためには、引っかかった個所を繰り返し復習するのが効果的です。

また、長文の問題では解答のポイントとなる部分を丸で囲んだり、波線を引くのも効果的

宅建の引っかけ問題は、恐れられがちですが、しっかりと対策を行い、解き方を身につければ、十分解けるようになり、むしろ、得点源につなげることができます。



売主の契約不適合責任

問題
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約において、売買契約に、契約不適合責任を追及できる期間について特約を設けていない場合、買主Bが契約不適合責任を追及するときは、契約に適合しない瑕疵があることを知ってから1年以内に行わなければならない。
(2007年出題の問11 選択肢4の改題)

答え:×
問題文では追及する期間が契約不適合な瑕疵を知ってから1年以内となっています。
正しくは、知ってから1年以内に行わなければいけないのは契約不適合責任の追及ではなく通知です。

これは「契約に適合しない個所を見つけたので、契約不適合責任を追及しますよ」という通知です。

契約不適合責任の追及は、知ってから5年間可能で、引き渡しからは10年間可能です。
契約不適合の追及期間が1年ということはありません。

私はこの数字を「契約不適合責任の追及は後藤(510)」と覚えました。
語呂合わせで覚えるのも1つの方法です。


公正証書による等書面に注意!

問題
専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とし、存続期間を20年として借地権を設定する場合、建物買取請求権の規定は適用されず、また、その契約は、公正証書による等書面によってしなければならない。
(2024年出題の問11 選択肢1)

答え:×
事業の用に供する建物に借地権を設定する場合は公正証書によって行わなければなりません。

この選択肢は、「公正証書による等書面によってしなければならない。」になっているので、公正証書以外の書面も含まれるので不正解です。

「公正証書による等書面」は公正証書を含む書面全般ということです。
普通の書面も含まれています。


建築上の制限

問題
容積率80%の用途地域内で防火地域内の耐火建築物は壁面線に接して建築できる。

答え:×
正しくは建ぺい率80%の用途地域で防火地域内の耐火建築物は壁面線に接して建築できる。

私はこの部分で何度もひっかかったので、繰り返して覚えました。
建築制限がないのは、容積率ではなくて建ぺい率80%の防火地域内の耐火建築物ということです。

ちなみに上記の類題として「商業地域内で防火地域内の耐火建築物は壁面線に接して建築できる。」というのがありますが、この問題は〇です。
商業地域内は建ぺい率80%だから、耐火建築物は敷地いっぱいに建てることができます。

これと似た引っかけ問題なのですが「商業地域内で防火地域内の耐火建築物は容積率の制限は受けない」というのがあります。

上記問題を解いた人ならもうお分かりですね。

はい。×です。これまた、容積率と建ぺい率で引っかけています。
正しくは、建ぺい率の制限は受けないです。

宅建はこのように類似問題や違う角度から聞いてくる同じ内容の問題を比較してみるとよく理解できます。


宅地造成等規制区域

問題
宅地造成工事規制区域外において行われる宅地造成に関する工事について、造成主は、工事に着手する前に都道府県知事に届け出なければならない。 (2021年出題の問19 選択肢1)

答え:×
都道府県知事の許可を受ける必要があるのは、宅地造成等工事規制区域ではなく、宅地造成等工事規制区域の宅地造成工事です。

宅地造成工事とは、宅地でないものを宅地にする工事
建物を建てるのに適した土地になるように、土地の形質等を整えることです。

ちなみに上記の類題として「宅地造成等工事規制区域内において、宅地を宅地でないものにするために土地の区画の形質変更を行う者は、都道府県知事の許可を得なくてはならない」というのがありますが、宅地を宅地でないものにするためには都道府県知事の許可はいりません
上記の問題と同じ考え方で解けますね。


重要事項説明のタイミング

問題
宅地建物取引業者は、その媒介により売買契約が成立したときは、当該契約の各当事者に、遅滞なく、重要事項説明書を交付しなければならない。 (2021年12月 出題の問35 選択肢2)

答え:×
重要事項の説明は、売買契約が成立した時ではなくて、売買契約を成立する前です。
すっごく基本的なことなのですが、引っかかりやすいので気を付けて下さい。


クーリングオフの長文問題

問題
宅地建物取引業者Aはホテルのロビーで宅地建物取引業者Bが所有する建物甲の買い受けの申込をし、3日後に宅地建物取引業者Bの事務所で売買契約をした場合、Aは、当該建物の引き渡しを受け、 かつその代金全額を支払う前であれば、売買契約をクーリングオフによって解除できる。

答え:×
クーリングオフの長文問題が出たら要注意!申込した場所や経過日数に注意が行きがちですが、主語にも気を配りましょう。
宅建業者が買主の場合、クーリングオフの適用はありません

長文問題の解き方は、重要な箇所を丸で囲んだり、波線をつけるのも有効です。
私も本試験の時は解答のポイントとなる箇所に波線をひいていました。


自ら貸主と媒介の掛け合わせ

問題
宅建業者Aが宅建業者Bに建物の貸借の媒介を依頼した。 この場合、宅建業者Aが借主(宅建業者でない)に重要事項説明を行えば、宅建業者Bは重要事項説明を行わなくてよい。

答え:×
宅建業者Aは貸主なので宅建業法が適用されず、重要事項説明を行う必要がありません。

一方、宅建業者Bは建物の貸借の媒介なので、宅建業法が適用され、重要事項説明を行う必要があります。
重要事項説明義務のある者が行う必要があるのです。


比較して覚えるとよいもの

引っかけ問題とは別なのですが、混同しやすい箇所として以下のことが挙げられます。

・国土交通大臣免許の宅建業者が営業保証金を供託した旨の届出→国土交通大臣に直接届出
・国土交通大臣免許の宅建業者が免許替えする場合→最寄りの都道府県知事を経由して申請

・宅地建物取引士証更新前6ヶ月以内の法定講習→都道府県知事が指定する講習
・登録実務講習(実務経験2年以上ない人が登録を受ける際に必要な講習)→国土交通大臣が指定する講習



宅建の引っかけ問題対策に適した問題集その1

この1冊で合格!水野健の神問題集

上記で紹介した引っかけ問題は、ほんの1部です。
宅建に出題される引っかけ問題はまだあり、問題集での演習が必要です。

宅建の引っかけ問題対策に適した問題集で真っ先に挙がってくるのが「この1冊で合格!水野健の神問題集」。

この問題集は分野別過去問集なのですが、過去問のページ下にその過去問に関連した1問1答が3問(2問のところもあり)あります。

過去問で見たことのないような言い回しの問題もあり、そのような問題は、きちんと理解していないと解けません。

また引っかけ問題も所々に散りばめられているので、力が付きます。

過去問に対する解説は分かりやすいのですが、1問1答の解説では×のところのみ解説があり、〇のところは解説がなく、なぜ〇になるのか分からない場合は、自分で調べる必要があります。


宅建の引っかけ問題対策に適した問題集その2

LECの宅建1問1答オリジナル問題集

宅地建物取引士(宅建)の勉強法と概要のページでも紹介したのですが、LECの出る順宅建士1問1答問題集は、過去問だけでは補えない細かな知識も身につけることができます。

上記で紹介した「この1冊で合格!水野健の神問題集」ほどではありませんが、引っかけ問題もそこそこあります

また1問1答ということで、通勤や昼休憩など小間切れ時間に解くのに便利です。

私は、水野健の神問題集と出る順宅建士1問1答問題集の両方を正答率9割以上になるまでやりこみ、試験前も間違ったところをチェックしましたが、本試験では引っかけ問題にひっかかることなく、スムーズに解けました。


↑ PAGE TOP